中国大連の空気

大連の最近の空気には耐えられない。

昔から、観光港町、大連として名を響かせていた。
遼寧省最大の市内の港町、大連湾から海外に輸出される製品は数多くある。
又、開発区にある大連港からも、企業団地にある外資系企業を含めてハイテク中心の
生産設備から産み出される付加価値の高い製品を世界に供給している。しかし、ここ4-5年、大連の町の様子が一変している。
それは空気の汚れである。飲料水への影響である。

理由は単純である。

GDPの数字のみを追いかけるあまり、国民が生きるために一番大切な公害・健康問題を忘れているからである。
空気が無ければ人間は生きていけない。動植物も同じである。
それらの土地から産出される全ての食材にも大きく影響する。
工場から排出される公害物質・煤煙・下水道含めたインフラの遅れ・環境対策の手遅れ・・・・
等、数え上げれば想像を超える多くの問題が浮かび上がる。
GDP年率10%前後の進捗率を維持する為に、公害環境問題・健康問題は後回しとしか思えない。
まず数字なのか?数字を全世界に誇示する為には人体はどうでも良いのか?
最近、地下鉄工事が始まり、案の定多くのトラブルが発生している。
地盤の固い大連では、地下道を掘削するのに多くの投下資金が必要である。
交通渋滞緩和と市民へのサービスのアドバルーンを揚げて始まった地下鉄工事である。
しかし、掘削工事企画の甘さと技術の未熟さから、陥没・水害等が数多く生じ、時折工事は中断されている。
上部に存在する多くのマンションは傾き、損害賠償問題に発生している。
地下水の噴出・流れの変化からも地盤沈下が始まっている。
この工事からも、公害問題が発生し、埃の中での我慢の生活を余儀なくされる国民は可愛そうである。
自家用車も増加の一途である。車の増加は自動的に公害を撒き散らす。
車を持つことはメンツである。本当に必要かどうかは別である。
バスとタクシーしか無い大連の交通手段を緩和しようとして地下鉄工事が計画された。
更に資本主義市場の導入で貧富の差が拡大し、中流以上の家庭では車を買い始めた。
たった5KM走るのに、1時間半必要な交通渋滞である。
歩くほうが速いのは馬鹿げているし、公害の温床である。
それでもメンツとプライドの高い国民は金利の高いローンで車を購入する。
空気・水は人間の生きる源である。考えて欲しい!
大連開発区から見た晴天の空気を送る。